初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
イグナーツも若くはないが、パトリックはもっと若くない。なによりも、イグナーツの父親から仕えているのだ。
「無理はするな」
つい、そのような言葉が口から告いでしまう。
「とうとう旦那様も、私を年寄り扱いするようになりましたか」
からりと笑ったパトリックは、イグナーツの前にお茶を差し出した。
「お前も座れ」
イグナーツが顎でしゃくりながらそう言えば、彼も断れない。
失礼しますと、パトリックは向かい側に座った。
だがイグナーツから誘ったわりには、なかなか言い出しにくい。とりあえず目の前のお茶に手を伸ばし、喉を潤してから切り出すことにした。
「結婚をすることになった……」
ひっと息を呑んだパトリックは、これでもかというくらい大きく目を見開いた。何か言いたそうに口をぱくぱくとさせているが、言葉は出てこない。
「そんなに、驚くことか?」
ひゅっと空気の漏れる声が聞こえた。パトリックはなんとか必死で呼吸しようとしており、はぁと大きく息を吐いた。
「旦那様がとうとう……。このパトリック、旦那様のお子様をこの腕に抱くのが夢でした。もしや、その夢が叶うのでしょうか」
パトリックにそのような夢があったとは、イグナーツも知らなかった。だが、こうやって感傷に浸られていたら、話はすすまない。
「無理はするな」
つい、そのような言葉が口から告いでしまう。
「とうとう旦那様も、私を年寄り扱いするようになりましたか」
からりと笑ったパトリックは、イグナーツの前にお茶を差し出した。
「お前も座れ」
イグナーツが顎でしゃくりながらそう言えば、彼も断れない。
失礼しますと、パトリックは向かい側に座った。
だがイグナーツから誘ったわりには、なかなか言い出しにくい。とりあえず目の前のお茶に手を伸ばし、喉を潤してから切り出すことにした。
「結婚をすることになった……」
ひっと息を呑んだパトリックは、これでもかというくらい大きく目を見開いた。何か言いたそうに口をぱくぱくとさせているが、言葉は出てこない。
「そんなに、驚くことか?」
ひゅっと空気の漏れる声が聞こえた。パトリックはなんとか必死で呼吸しようとしており、はぁと大きく息を吐いた。
「旦那様がとうとう……。このパトリック、旦那様のお子様をこの腕に抱くのが夢でした。もしや、その夢が叶うのでしょうか」
パトリックにそのような夢があったとは、イグナーツも知らなかった。だが、こうやって感傷に浸られていたら、話はすすまない。