初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
「その相手が問題だ。そして王命だから、断れない」
自分の意思ではないという強調をしておく。そう、この結婚は王命である。
「どなたですか?」
今にも泣きそうであったパトリックも、イグナーツの言葉で相手が気になったようだ。少しだけ、身を乗り出してきた。
「キシュアス王国元第二王女、今は第一王女になるのか?」
その言葉に、パトリックは眉間に深く皺を刻んだ。ただでさえ皺の多い顔に、さらに皺が増える。
「お前……。もしかして、知っていたのか?」
パトリックはソファに深く座り直した。
「何を、ですか?」
「キシュアスに王女が二人いたことを」
パトリックが非常に長く息を吐く。それがイグナーツから見たら、わざとらしい。
「そうですね。先代がそのような話を口にしていたことがありましたので。二人目の王女が誕生したと聞いていたのに、いつの間にかいなくなっていると……。なるほど、そのお方が旦那様のお相手なのですね?」
「ああ。キシュアスから見たら、こちらに嫁がせるのは人質のようなものだろう」
「そうなりますね。ですが我々は、キシュアスの王女様であっても、喜んで奥様として受け入れます。たとえ旦那様がそれを望んでいなくても」
やはりイグナーツの気持ちは知られていた。
自分の意思ではないという強調をしておく。そう、この結婚は王命である。
「どなたですか?」
今にも泣きそうであったパトリックも、イグナーツの言葉で相手が気になったようだ。少しだけ、身を乗り出してきた。
「キシュアス王国元第二王女、今は第一王女になるのか?」
その言葉に、パトリックは眉間に深く皺を刻んだ。ただでさえ皺の多い顔に、さらに皺が増える。
「お前……。もしかして、知っていたのか?」
パトリックはソファに深く座り直した。
「何を、ですか?」
「キシュアスに王女が二人いたことを」
パトリックが非常に長く息を吐く。それがイグナーツから見たら、わざとらしい。
「そうですね。先代がそのような話を口にしていたことがありましたので。二人目の王女が誕生したと聞いていたのに、いつの間にかいなくなっていると……。なるほど、そのお方が旦那様のお相手なのですね?」
「ああ。キシュアスから見たら、こちらに嫁がせるのは人質のようなものだろう」
「そうなりますね。ですが我々は、キシュアスの王女様であっても、喜んで奥様として受け入れます。たとえ旦那様がそれを望んでいなくても」
やはりイグナーツの気持ちは知られていた。