初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
カチャカチャとカトラリーの静かな音が響く。必死でナイフを動かしているエルシーの姿は、見ていて飽きない。
広い食堂の翡翠色のテーブルクロスの映えるテーブルに、イグナーツはエルシーと向かい合って座り、食事をとっていた。
「旦那様、こちらは苦手なものでしたか?」
パトリックがそう声をかけてきたのも、イグナーツのフォークがなかなか動かないからだろう。
「お父さま、好ききらいをしてはいけません」
いきなりエルシーからそのように言葉をかけられて、思わずイグナーツは目を細めた。彼女の口元には、ソースがついている。
その様子を見ていたパトリックは、ぷっと噴き出した。
「ああ。そうだな。久しぶりにエルシーと食事をして、嬉しすぎて喉が通らないんだ。食事はどれも美味しいよ」
慌ててイグナーツはフォークを口元にまで運んだ。
あの件をどうやってエルシーに伝えるか、悩んでいたせいもある。
エルシーは、しばらく会わない間にずいぶんと成長したようだ。食事も一人で食べるし、カトラリーの使い方もよく学んでいる。
だが、好き嫌いをしてはいけないと言った彼女自身が、苦手な野菜を皿の隅に避けていた。それには微笑みすら零れる。
広い食堂の翡翠色のテーブルクロスの映えるテーブルに、イグナーツはエルシーと向かい合って座り、食事をとっていた。
「旦那様、こちらは苦手なものでしたか?」
パトリックがそう声をかけてきたのも、イグナーツのフォークがなかなか動かないからだろう。
「お父さま、好ききらいをしてはいけません」
いきなりエルシーからそのように言葉をかけられて、思わずイグナーツは目を細めた。彼女の口元には、ソースがついている。
その様子を見ていたパトリックは、ぷっと噴き出した。
「ああ。そうだな。久しぶりにエルシーと食事をして、嬉しすぎて喉が通らないんだ。食事はどれも美味しいよ」
慌ててイグナーツはフォークを口元にまで運んだ。
あの件をどうやってエルシーに伝えるか、悩んでいたせいもある。
エルシーは、しばらく会わない間にずいぶんと成長したようだ。食事も一人で食べるし、カトラリーの使い方もよく学んでいる。
だが、好き嫌いをしてはいけないと言った彼女自身が、苦手な野菜を皿の隅に避けていた。それには微笑みすら零れる。