初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
オネルヴァはワゴンを横におき、執務室の扉を叩いた。
トントントントン――。
だが、返事はない。そのまましばらく待ってみたが、それでも返事はない。
もう一度、扉を叩く。
扉の向こう側の部屋からは、物音一つ聞こえない。もしかして、先に浴室に行ってしまったのだろうか。それとも、一度私室に戻っているのだろうか。
取っ手に手をかけると鍵は開いていた。食事もあることだし、ワゴンを押しながら室内に入る。
「失礼します」
だが、やはり返事はない。
「旦那様……?」
ぐるりと室内を見回すが、イグナーツの姿は見当たらない。執務席にはいない。その前にあるソファにもいない。
「お食事をお持ちしました」
姿は見えないけれど、声は届いているかもしれない。そんな思いもあって無人の室内に声をかけてみた。
だが、やはり返事はない。
どうすべきか。オネルヴァはその場に立ち尽くす。せっかくの料理も冷めてしまうだろう。それに料理を望んだのはイグナーツなのだ。となれば、どこか近くにいるに違いない。少しだけ席を外しているのかもしれない。
そう考えて、オネルヴァはすとんとソファに上に腰を落とした。
トントントントン――。
だが、返事はない。そのまましばらく待ってみたが、それでも返事はない。
もう一度、扉を叩く。
扉の向こう側の部屋からは、物音一つ聞こえない。もしかして、先に浴室に行ってしまったのだろうか。それとも、一度私室に戻っているのだろうか。
取っ手に手をかけると鍵は開いていた。食事もあることだし、ワゴンを押しながら室内に入る。
「失礼します」
だが、やはり返事はない。
「旦那様……?」
ぐるりと室内を見回すが、イグナーツの姿は見当たらない。執務席にはいない。その前にあるソファにもいない。
「お食事をお持ちしました」
姿は見えないけれど、声は届いているかもしれない。そんな思いもあって無人の室内に声をかけてみた。
だが、やはり返事はない。
どうすべきか。オネルヴァはその場に立ち尽くす。せっかくの料理も冷めてしまうだろう。それに料理を望んだのはイグナーツなのだ。となれば、どこか近くにいるに違いない。少しだけ席を外しているのかもしれない。
そう考えて、オネルヴァはすとんとソファに上に腰を落とした。