初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
◇◆◇◆ ◇◆◇◆
「奥様。旦那様がお帰りになりましたが、どうされますか? 執務室にいらっしゃるようです」
どうやらイグナーツが帰ってきたようだ。
「ありがとう、ヘニー」
イグナーツが帰ってきたら知らせるようにと、オネルヴァはヘニーに伝えていた。すっかりと寝支度を終えてしまったが、ナイトドレスの上にガウンを羽織れば、失礼にはあたらないだろう。
部屋を出て、彼の執務室へと向かうと、食事のワゴンを押しているパトリックの姿を見つけた。
「パトリック。それは旦那様の食事ですか?」
「奥様も、旦那様にご用がありましたか?」
「いえ……。そうですね。少し、お話がしたくて」
「それは、なによりでございます」
「その食事を、わたくしが運んではいけませんか?」
オネルヴァの言葉に、パトリックは少々戸惑いを見せていたが、最終的には「お願いします」とワゴンから離れていた。
「お預かりします。パトリックも、はやくお休みになられてくださいね」
「もったいなきお言葉を……。ありがとうございます」
初老の執事は感激のあまりか、深く腰を折ると、ふらふらとしながらその場をあとにした。
「奥様。旦那様がお帰りになりましたが、どうされますか? 執務室にいらっしゃるようです」
どうやらイグナーツが帰ってきたようだ。
「ありがとう、ヘニー」
イグナーツが帰ってきたら知らせるようにと、オネルヴァはヘニーに伝えていた。すっかりと寝支度を終えてしまったが、ナイトドレスの上にガウンを羽織れば、失礼にはあたらないだろう。
部屋を出て、彼の執務室へと向かうと、食事のワゴンを押しているパトリックの姿を見つけた。
「パトリック。それは旦那様の食事ですか?」
「奥様も、旦那様にご用がありましたか?」
「いえ……。そうですね。少し、お話がしたくて」
「それは、なによりでございます」
「その食事を、わたくしが運んではいけませんか?」
オネルヴァの言葉に、パトリックは少々戸惑いを見せていたが、最終的には「お願いします」とワゴンから離れていた。
「お預かりします。パトリックも、はやくお休みになられてくださいね」
「もったいなきお言葉を……。ありがとうございます」
初老の執事は感激のあまりか、深く腰を折ると、ふらふらとしながらその場をあとにした。