れんれんと恋するための30日


「ミッチーはなんて?」


「一言、“分かった”って。
それで、またフランスに帰って行った」


透子は道の気持ちが今でも分からない。
道は、透子の気持ちは百も分かっているはずなのに。


「じゃ、ミッチーは、透子さんの絵を描くために帰ってきたんだ」


福は透子の一途な気持ちが心苦しかった。
立場は違っても、透子が子供の時から道を好きな気持ちは、福が蓮を想う気持ちと何も変わらない。


「突然、帰って来たの。
高2の始業式の日に、道が高3に編入してきたのを初めて知った。
学校で制服を着た道を見かけた時は、心臓が止まるかと思ったくらい。
道は透子の絵を描くために帰って来たって、そう言ってくれた」


福はどうしても聞かずにいられなかった。


「透子さんは、蓮といつからつき合ってるの?」


「幸ちゃん、本当にごめんなさい…
実は、その始業式の時、私が教室で一人で泣いてたら、始業式に遅れた蓮君が教室に入ってきた。

隣の教室で伏せて泣いている私を見て、蓮君は声をかけてくれて…
その時に、私の方から、蓮君につき合ってってお願いしたんだ…」


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