れんれんと恋するための30日


「え? どうして?」


福には理解できない。
ミッチーは、わざわざフランスから透子のために帰ってきたのに。


「道は、きっと私の絵を完成させたら、またフランスへ帰ってしまう。
そしたら、私と道を繋ぎ止めるものは、もう何もなくなる。
道は、私の事なんかすぐに忘れてしまう。

幸ちゃん、ごめんね、私は蓮君を利用した。
ううん、今でも利用してる、最低だよ…」


福は胸が苦しかった。
それは、蓮より透子の方が可哀想に思えてしまう。


「透子さん、お願い…
ちゃんとミッチーに自分の気持ちを伝えてほしい。
そうじゃないと、私も蓮も前へは進めないから。

透子さん、ミッチーは、また10月にフランスに帰るって言ってた。
なんだか、もしかしたらもう帰って来ないのかな、なんて思って」


福は、透子の美しすぎる顔をじっと見ていた。
こんなに綺麗なのに、道に対しては、全然、自信がないのが信じられない。



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