憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
「もうそれは本当に立派だと私も思いましたけど、横山さんがいなかったのはだいぶ痛かったですよ。」
「すみません。何せ族に狙われている子だったもので、何かあった時のために色々融通が効くのが私だったみたいで。」
「理玖の気持ちもすごく分かるので何も言わなかったんですけどね。」
理玖様が私に彼女を見張るよう言った時彼女は深く傷ついていた。
同様に理玖様も口には出さずとも早く手を打たなかった自分自身を責めているように見えた。
朝と夕方に彩様を護衛して感じたのは、とにかく純粋な方なのだと。理玖様の周りにはいない。まっすぐで真っ白な綺麗な方
そのような方を腹の探り合いをしながら生きて行く理玖様の世界に引き込むのは私でも躊躇した。
だが、彩様を観察して感じたのは理玖様にとって彩様が大切な方のように、彩様にとっても理玖様は心惹かれる方なのではないかと。
理玖様の記憶がなくなってしまった期間、携帯の裏側をじっと見ては大事に抱きしめているところを何度か見たことがある。
何があるのかと彩様に申し訳なく感じつつ望遠鏡で見えたのは見覚えのある番号の羅列だった。
それが何なのか分からないはずなのに、大事なものだと無意識で思っている…。そう思った時に胸の中が温かい気持ちで溢れた。