憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした



理玖様は歳の割には世界を知りすぎている。
だからこそ冷静な判断を下さるのだが、それに引き換え、信頼できる人間や心休まる人間が数少ないというのが心配であった。


ただでさえその肩書きに下心を持った悪質な大人たちが小さな男の子に群がるのに、その上あの容姿では女性がひっきりなし。

幼い頃から我々が必死に守ってきたが、悪知恵がよく働く奴らばかりで、理玖様は女性というものに分厚い壁を立ててきた。



だから理玖様が1人の女性を思われていることに勝手ながら親のように嬉しかった。




「どんな子か聞いても良いんですかね…?うちに来ることは重荷になると思うんです…。」

「とても可愛らしい方です。安達になるということはとても大きな意味を持ちますが…、理玖様を信じましょう。」


「どこか達観している理玖様が持てるあらゆる手を使って彩様をお守りしている姿に伊織様を思い出しました。どちらかといえば結斗様が伊織様似だと思っているのですが、さすがは湊様と伊織様のご子息です。守ると決めた方はたとえ自分のことを忘れられても折れません。」


伊織様は苦笑いして過去を思い出しているのだろう。バツが悪そうな顔をする。


「そういうのは理玖に任せて、私はただ彼女を優しく受け入れれば安達家は安泰ですかね。」

「はい。」



安達家の末永い繁栄を側で支え続けられたら私は幸せです。




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