憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
11月の倉庫内はあちこちでクリスマスの話が出ていた。
彼女を自慢する奴、その辺でナンパしようとする奴、クラスの女子を何人か誘おうとする奴
その上の部屋では女の声が響いていた。
「クリスマスは航くんと過ごすから!」
「イブから俺らここ来ないからな!呼び出すなよ!?」
「はいはい。いちゃいちゃしてて良いから。」
騒ぐ幹部たちを気に留めず携帯を触っている総長
『次はない。』
その一言と共に送られてきたトーク画面
女と連絡を取っている男のもの
そこには"加奈子"と記されており、相手の女は加奈子という女だと分かる。
それと添付されてる写真、トーク内容からこの女は夜鴉の女だと確信できる。
6月頃に航が連れて来た。
幹部の女が姫になるのは普通だから面倒だと思いながらも反対する理由がなかった。
ただ明るい女だと思っていたが、あの出来事をきっかけに違和感を感じることが度々あった。
まず、あの時加奈子の主張についていけなかった。
何故か下っ端になりたがり、男どもに媚を売るような女じゃなかった白井彩からいじめを受けていたと。
それも幹部たちに色目を使うなと言われたと。
…そんな女には見えない。むしろ、男どもが下心を持って近づいてもそれを上回る純粋さで男どもが諦めてるのを何度か見たことがある。
だから、あいつが女を牽制するなんてしない以前にできないだろう。
…と、これまでのことを思い返してる内にあいつは追い出されてた。