憧れのヒーローはヤンキー?いや、私の王子様でした
「けほっ…!」
「今日まで良い夢見れたでしょ?誰のおかげ?閉じ込めてくれた私のおかげよね?」
ねぇ?とドスのきいた声で問われる。
「あんた、毎日昼にあそこ行ってたんでしょう?」
詰められて小さく頷く。
「それ以外の時間は鍵がかかってる。放課後は知らないけど。…まさか放課後も。」
ギロッと睨まれ、小さく頷く。
大きな舌打ちをされて、抑えられていた胸ぐらが離される。
ドサッと地面に落とされ、必死で呼吸を整える。
「あの空き教室に二度と行くな。行ったらどうなるか…。」
そう言いながら携帯の写真を目の前に出される。
「この写真とお前の名前、学校名、住所。SNSにあげてやる。」
ぎゅっと手を握りしめる。
…何で、そんなことをされないとしかないの。
「それが平気なら、もう一回襲われる?」
襲われる。そう聞いて思い出すのは、もうとっくに消えていた嫌な記憶
知らない人にキスされた記憶
……待って、何で、
「何で、知ってるの?」
「何で?さあ、何ででしょう?」
ニコニコと不気味な笑みを浮かべる加奈子ちゃん
嘘、…でも、私は前に、加奈子ちゃんにあの空き教室に閉じ込められた。
結果的に何もなかったけど、加奈子ちゃんはあそこに獣がいるって…。
「加奈子ちゃんのせいなの…?」
「ひどい言い方じゃない?私はあいつがあんたに興味があるって言ったから、賛同してあげただけだよ?」