私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
そして俺はキスをした
最初は唇に
徐々に場所を移していく
香音の手から力が抜けたのを見計らってカッターを取った
そこで終わりにしても良かったんだけど………
止まれなかった
おでこや耳……首筋
傷口にもキスを落とした
そして服の上から上半身を撫でた
柔らかくて白い肌…………全部が愛おしかった
そして服の中に手を伸ばそうとした時
「………ヒック……ヒック………」
その声で俺は戻った
「香音………もうやらないから……
何もしないから………泣かないで………」
「……ヒック……ヒックヒック………」
「ごめん……やり過ぎた……
ごめんな………」
俺はそっと香音を抱きしめた
俺は何をやってるんだろう………
香音は苦しんでるのに………
何でこんなことを……
俺は自分をコントロールしないといけなかったのに…………馬鹿だ………結局香音を苦しめてる…………
「……香音………ごめん………」
俺は謝り続けることしか出来なかった