私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
それからたくさん香音と話した
久しぶりで凄く楽しかった
香音の笑った顔も……やっと見れた
コンコン
「そろそろ面会終了のお時間です」
そう看護師の人が呼びに来た
「もうそんな時間か……
じゃあ香音、俺帰るな」
「…………ぃや……」
「ん?」
「やだ!
帰っちゃやだ!」
「香音………」
「やだ!
置いてかないで!!」
「置いてかないよ
また明日来るから」
「嫌だ!
雄斗、一人にしないで」
ガタッ
そして香音はベッドから落ちてしまった
「香音!?
大丈夫か!?」
「うっ……うわぁん………痛い……痛いよ……!」
ついには泣き出した
「香音……落ち着いて
大丈夫だから」
「やぁ………いやぁ………」
「……………」
コンコン
「大丈夫ですかー?」
そんな時、栗原先生が来てくれた
「栗原先生………」
「大丈夫ですから
任せてください
香音ちゃーん、どうしたのかな?」
「……ヒック………ヒック」
「もしかして落ちちゃった?
痛かったね」
「………ぅん……」
「ベッドに戻ろうか
抱っこするよ」
「………やぁ……!」
「おー……嫌か
彼氏さんならいい?」
「………いやぁ………」
「そっか……
でも、ここにいたら体冷えちゃうからさ
ベッドに戻ろう?」