天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む
 気持ちが急くのをなんとか抑え、空港職員とも連絡を取り合いながら例のものを探し続ける。見つけられないまま三十分近く経過した、その時。

 完全に雨が止み、空がわずかに明るんできた。先ほどよりも滑走路がはっきり見える。

 着陸するなら今だ。これだけ視程がよくなれば、きっと暁月さんたちからも、滑走路だけでなく飛行する物体があれば目視できるはず。

 空港の職員とももう一度確認をして、無線を手に取る。

「HA479、今のところドローンは確認されておりませんので、滑走路07オープンしました。視程が回復してきましたので目視もできるかと思います」

 聞き取りやすいよう、念のため日本語で伝えた。着陸許可を出せないので、あとは暁月さんの判断に任せるしかない。

 時々無線からザザッと砂嵐のような音がしてくるようになり、それに耳を済ませつつレーダーを確認する。旋回していたHA479便が、ファイナルアプローチに入ろうとしているのがわかった。

「HA479. Runway07,runway is clear. Wind 220 at 15. Unknown traffic not reported.(ヒノモトエアー479。滑走路07、着陸に支障ありません。風は220度から15ノット。ドローンの飛行情報もありません)」

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