天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む
「あいつ……俺らの管制でもしてるのか」
「すごいタイミングですよね」

 目を見合わせて苦笑する私たち。電話をしてきたのは、今日休みだった城戸さんだ。どうしたんだろうと首をかしげつつ、スマホを耳に当てる。

 今の状況を伝えると《じゃあ暁月と一緒に五階の会議室に来てくれる? 人事部長様がいるから》と言われ、私たちは再び顔を見合わせた。

 これは絶対、例の件だよね。そろそろ一週間が経つから、明日には結論を出さなければと思っていたのだけど……。

 というか、暁月さんもいるところで一連の話をするとしたら全部知られてしまう。どうしようかと悩んだのもつかの間、彼にすっと手を取られる。

「写真の件なら、つい昨日父さんから聞き出したよ。行こう」
「へっ!?」

 もう知っていたの!? ……あ、そういえば昨日、お義父様がスタンバイ中の暁月さんと会ったと言っていたっけ。その時に話していたのか。

 ぐるぐると考えを巡らせる私の手を引いて、空港事務所へと引き返す彼は真剣な面持ちだ。私が詳細を隠していたこと、怒っているかな。

 緊張と後ろめたさでどぎまぎしつつも会議室の前に着き、暁月さんがドアをノックして先に入る。

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