「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「とりあえず、わたしはきみたちの敵ではないということをアピールしたかった。だからここを提供し、なにも求めたり制限したりしなかった。エドとフェリペのことは監視役だと思っただろうが、結局きみたちの思い通りに働いてくれているだろう? そうなると見越していたから、二人をきみたちに同道させたわけだ」

 ヘルマンのその言葉に、うしろに立っているエドムンドとフェリペがハッと息を飲んだ。

「ああ、心配しなくてもいい。裏切りとか契約違反だとかは思っていないから。きみらにはきみらの目的がある。その目的が、クストとカヨに味方することで果たせる。わたしにすれば、きみたち四人がわずかでもアルマンドややわたしを信じてくれればいい。だから、きみらがクストとカヨに味方してくれた方がよかったわけだ。だれにとってもそれがベストだったというわけさ」

 どういうこと?
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