「世紀の悪女」と名高い侯爵令嬢がクズ皇太子に尽くし続けた結果、理不尽にも婚約破棄されたのですべてを悟って今後は思うままに生きることにする~手始めに隣国で手腕を発揮してみるけど文句ある?~
「あ、ありがとうございます」

 すると、エドムンドが驚き顔で礼を言った。

「チェッ! きみはほんとうに可愛くないな。あいかわらずだよ」
「そうよ。それもいまさらね。わたしはかわらない。わたしは可愛くない。さあ、グズグズしていたら真っ暗になる。エド、はやく案内してちょうだい」

 腐るクストディオから視線をそらせ、エドムンドを急かした。

 そうして、わたしたちは街を横断して目的地へと向かった。

 謎の人物に会う為に。
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