ヴァンパイアな彼等
「姉さん、アイツが1番ヤバそうだから絶対に1人で近づいちゃだめだよ」
ギロッと凪を睨みつける冬夜に対して私は同意するように、コクコクと大きく頷く。
「とまぁ…凪の冗談はさておき…君たちもこの学園に通うってことならこれから俺達と接する機会も増えるだろうし…同じヴァンパイア同士仲良くしようよ」
ニコッと柔らかく微笑んだ怜也に少しだけホッとした。
有栖川先輩が3人の中で1番まともそう。
しかし、そう思った矢先。
「おい。言っとくけど、俺等の中で1番何考えてるかわかんないのは怜也だから、気をつけたほうがいいぞ?」
ククッと不敵に微笑み、そんな恐ろしいことを口走ったのは翔月だ。
「姉さん…つまりはここにいる彼等は誰一人信用しちゃダメってことだからね……というか、お互い自己紹介も済んだしそろそろ帰っていいでしょ?先輩方」
「そ、そうね。お母さん達も待ってるだろうし…早く家に帰らないと…」
冬夜の意見に賛同し、私はおそるおそる3人に視線を投げかける。