ウチの居候ヴァンパイアくん。
「で、由里さんの話したいことって何?」
アキラが尋ねてきたので、由里は肩にかけていたショルダーバッグの持ち手を、震える手でギュッと握りしめてから、声を絞り出した。
「…どうしてあの日、帰ってきてくれなかったの?」
由里がそう尋ねると、アキラは「あぁ」と言って気まずそうに俯いて言った。
「だって、もう見放されたと思ったからさ。でも、そりゃそうだよな。あの場で急にホストだとか、でも本気で好きだとか言われても、混乱するのは当たり前だよ。」
そこまで言うと、アキラは深呼吸してから言った。
「…だから決めたんだ、あの日。由里さんに釣り合う男になって帰ってくるって。ヴァンパイアだからって、住む世界を狭めずに頑張ってみようって。」
「そう…なんだ。」
由里がやっとの思いで声を発すると、アキラはフッと笑ってから言った。