ヴァンパイアガールズ
「トマトたっぷりピザ,ミートソーススパゲッティ,大盛ポテトフライに……」



よく食べるのねと聞いていたら,直ぐに訪れた違和感に顔をあげる。



「特製ソースがけのサーロインステーキと,生ハムのサラダ,あとはかき氷に,生チョコのパフェ,木苺のパンケーキも」

「ちょっと,待って」



同じく困惑顔の店員にもちょっと待ってくださいと言いながら,私は制止をかけた。



「なんだ」



と眉を寄せるちはやは,まるで私が面倒な人間のような顔をする。



「帰ったら寝るだけだってのに,どこの人間がそんなに沢山食べるの」



それはあまりに,思春期じゃ済まされない量で。

私はファンタジーを見た。



「お金,持ってるの?」



まさか払えなんて言わないでよね,そもそも持ってるわけないとちはやを見ると,馬鹿にしたような笑みが向けられる。

そう,あんたはあるの。

それに



「どこに住んでるのか知らないけど,そんなに待ってられないよ。だって私,灰になっちゃうもん」



なるわけないけど。

ちはやと一緒であるからか,その発言をした私も,店員に不思議がられることは無かった。

これならやっぱりシルバー·ブレッドでもやっていけると,変な自信を着ける。
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