ヴァンパイアガールズ
「ちはやを見てたら食欲なんて無くなった。それにどうせ,家に買い置きがあるから腐る前に食べなきゃいけないの」

「ああ,腐ると不味いしな」



そこじゃないんだけど。

腐ったら食べないし。

私はお金持ちそうなくせに,まるで貧乏のような喋り方をするちはやを怪訝に見る。

ちはやは何故私がそんな顔をしたのか,分からないようだった。

……変なやつ。

真面目に相手をしたら,馬鹿を見るのは私の方。



「どうせ俺の金なんだから,もっと頼めば良かったのに」

「え,これちはやの奢りなの? じゃあ頼めば良かった,け,ど。食べれなくなっても困るし,いいや」



ついて出た憎まれ口にちはやは



「この減らず口」



と私を見る。

私は無視をした。

どうせ来たくて来てる訳じゃないし。

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