ヴァンパイアガールズ
届いた料理は,テーブルに乗らないかと思いきや。

次が届く前に完食してしまうので,易々と乗った。



「そんなに食べて,美味しいとおもえるの?」



かといって食べ方は綺麗で,大口で料理を口にしては,飲み込むわけでもなくしっかり咀嚼する。

ただ一口の量とスピードが,とてつも無く早いまま休まることを知らない。



「あー? どんだけ食おうと味はかわんねぇだろ」



私は変わるけど。

1口目が1番美味しいし,食べ続ければ気持ちでも変わる。

私はそんなことを思いながら,吸い込まれていく料理を眺めた。

いい食べっぷりって,どこまでだっけ。

私の持つスプーンが,カランとガラスを撫でる。



「かき氷と……サイコロステーキ,何分かかる?」

「殆んど提供し終わって,お客様も多くが帰られましたので……じゅ,15分程度かと」



目の前にはまたあの店員。

私が灰になるのを恐れているのか,慎重に時間を告げていた。

優しい人だなと,私は一瞥しただけで最後の一口を頬張る。



「じゃあそれ,ラストオーダーで」

「かき氷とサイコロステーキですね。では急いでお持ちします」



年が近いからと,気軽な喋りをするちはやに,彼は律儀にも頭を下げてから下がった。

接客対応が神だと,後でネットに書き込んであげようと思う。

それでも妥協しただけで,食べ足りなそうなちはやに,ため息をついて。
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