ヴァンパイアガールズ
「あら,あなたも体調不良? でも見ない顔ね」
黒髪に,魅惑的な括れ,長い前髪の先には真っ赤なリップ。
あぁこれは確かにヴァンパイア,と。
私はため息をついて,流行る心臓を押さえた。
誰が,少し器量がいい程度,なの。
私は初めてちはやと交わした会話を思い出す。
どう見たってヴァンパイアで,この保健医が人間かどうか疑う余地はない。
ちはやと朝ごはんを食べたあと,1週間程はピンピンしていたのに。
その日は何故か起きたてから頭が痛かった。
だから,私はヴァンパイアの校舎の前にある人間の校舎の保健室にやって来たのだ。
以前聞いたちはやの言葉の確認も兼ねて。
近いからと言う理由でこちらを利用することは,何も珍しくないし,どちらを使うのも生徒の自由だから。
「うーん,ヴァンパイア?」
私は
「……はい」
と笑顔を作った。
その動きを,背後に横たわる人物に止める。
どこにでもいるわけ?
と,すぐに鉢合わせてしまうちはやに,ズキズキと頭は痛みを増した。