幼なじみ、じゃない。

この気持ちを押し殺すことなんて、もう出来なくなっていた。



ーーこんな急に、溢れるのはやめて。



どうせ、私は涼の特別な人にはなれないのに。



この気持ちがいざ溢れてしまうと、期待と諦めがぐちゃぐちゃに混ざってしまう。



ついに雫がひとつ溢れたときには、無意識に呟いていた。



「ーーーー…、好き」



どうして今、抑えが効かなくなってしまったのだろうか。


どうせだったら、失恋する最後まで貫き通したかった。



「……涼の好きな人って、高橋さんだったんだ……」



敵う気がしない。今までの私だったら、敵おうとも思わなかった。だけど、今の私は比べてしまう。


あんなに可愛かったら、そりゃ涼も好きになるよね。