同居中の総長さま×4が距離感バグってます!
…どうして。

なんでやり返さないの…。


だって前に言ってたじゃない。


『殴ってでも蹴ってでも一冴を連れ戻す』って。


あれはきっと、嘘でもでまかせでもなく藍の本心のはず。

だけど、実際に一冴さんを目の前にしたら……殴れないんだ。


たった1人の兄弟だから。


――何発、何十発と殴っただろうか。


荒々しく息をする一冴さんがようやくその手を止めた。


「…もうやめだ。こんな腰抜け、そもそもオレが相手にすることもねぇ」


一冴さんは立ち上がると、藍に背中を向けた。

そして、周りにいた紫龍のメンバーを見渡す。


「お前ら、あとは好きにしていいぞ」


その言葉に紫龍のメンバーたちは不敵な笑みを浮かべ、藍にじりじりと歩み寄る。

その光景に、わたしは全身に鳥肌が立つ。


「藍…!逃げてっ!!」
< 341 / 381 >

この作品をシェア

pagetop