学校一のイケメンと噂の先輩は、優しい吸血鬼でした



「そんなことないです。
私もずっと先輩と居られる。」


「……心配しないで、大丈夫。

多分親父は俺が人工血液飲んでるの気づいてるからもうじき来ると思うし、とりあえず親父に頼んで人間の血譲ってもらうから。

安心して。城山家で雇ってる人間に許可を貰ってお金を払って採取してる血液だし、他の女の子に触れたりとかないから。」


先輩は契約に関する話を切り上げ、私に教室に戻るよう促した。

私はそれでも契約をして貰おうと思ったけど、それ以上話そうとしない先輩に負けて、ひとまず教室に戻る。


放課後になって保健室に行ってみると先輩はもういなくて、親が迎えに来て一緒に帰ったと保健室の先生から聞いた。


先輩と話した時の様子だと、契約はしてくれそうにない。

でも、何度もお父さんに頼んで貰うこともしないと思う。
そうなると実家に戻ることになるし、好きでもない吸血鬼と一緒に暮らす道に近づいていってしまうことになると思うから。


あ、でも昼間の話からすると、直接じゃなくても、採取した血でも大丈夫ってことだよね。

それなら私でもできるかな。
痛いの苦手とか言ってる場合じゃない。


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