淡雪の恋 心に弾けた思いを君へ
 あの日、まさか敏夫に奪われるとは思わなかったわ。 お父さんが死んで数年が経ってたんだもんね。
風呂に入ろうとしている時だった。 不意にドアが開いたから固まっていたら、、、。
 いきなり後ろから抱き着かれて奪われてしまった。 何が何だか分からなかったわ。
 やっと落ち着いて起き上がってみたら放心している敏夫が居た。 驚いた。
 でもなんとか気持ちを落ち着かせて説得したのよね。 「こんなことはやっちゃダメだよ。」って。
お父さんに奪われた時とは違って私もどっか冷静になれた気がする。 近親相姦なんてやっちゃいけないことなのにね。
 それからしばらくは敏夫を遠ざけたいって思ってた。 あゆみだって居るしね。
でも変に敏夫を遠ざけるわけにもいかない。 どうしたらいいのか分からなかったわよ。
 だけどこの頃はふつうにお喋りもするしお説教もする。 そのほうがいいのかもしれないなあ。
それでもね、あの日の感触は消えないの。 それどころかますます鮮やかに感じるようになってきてる。
 自分で自分を慰めてみても何だか物足りないのよね。 どうしたらいいんだろう?
これってさあ、私が敏夫を一人の男性として受け入れようとしているってことなのかなあ? でも相手は高校生よ。
そんなのいいわけがないじゃない。 布団に入っても二人の私が喧嘩してるの。
お願い、私をこれ以上苦しめないで。
< 13 / 13 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

私 ホームヘルパーです。

総文字数/263,307

恋愛(オフィスラブ)85ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
 考えてみるとホームヘルパーは勇気と根性が試される仕事。 赤の他人の家で家事全般を任される。  相手は親戚でも友人でも知人でも知り合いでもない。 真っ赤な他人の世話をするホームヘルパーとは覚悟が無ければ出来ない仕事。 何も知らない他人と向き合う危険も伴う仕事。 それにどうやって体当たりで挑むのか?
浅黄色の恋物語

総文字数/123,631

恋愛(純愛)127ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
 高齢になると恋に憶病になる。 そしておっくうになる。 それでいいんだろうか?  人って一人では生きられない寂しがりな生き物。  どんなに強がっていたって心の何処かに寂しさを漂わせているもの。 そんな二人が出会ってしまったら、、、。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop