緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
 前回見られた疲労の色は全く無く、目の下の隈も綺麗サッパリ無くなっていた。

「俺からも礼を言う。アンのおかげでヘルムフリートも倒れずに済んだからな」

 あのままのペースで薬の開発を進めていたら、ヘルムフリートさんも過労で倒れていただろう、とジルさんからもお礼を言われてしまった。

「本当ですか?! 回復されて良かったです……!」

 私は心の底から喜んだ。王女殿下の快復は王国民全員が望んでいたことなのだ。

「じゃあ、近い内にお二人の婚約式が行われるんですね!」

 王女殿下のお姿を拝見したことはないけれど、「王国の華」と称されているお姫様と優しげな美男子のヘルムフリートさんが並ぶ姿は、それはもう美しい光景に違いない。

「うん、フロレンティーナが全快したらすぐにでもね。身内だけのささやかなものになるだろうけど」

 お医者様から許可が取れ次第、婚約式を行うことになるのだけれど、病み上がりとなる王女殿下を考慮して、大体的に行わず小規模なものにするのだそうだ。

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