緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
 マイグレックヒェンを育てるぐらいそんなに手間ではないし、人のためになるのであればと、報酬を辞退しようと思った私にジルさんが待ったをかける。

「いや、報酬は受け取った方が良い。植物の栽培はアンが今まで培ってきた立派な技術で、その技術は無償で提供するものではないだろう?」

 私はジルさんの言葉を聞いて確かに、と思う。

「……わかりました。では正式に仕事としてお受けします」

「良かった! じゃあまた後日詳細を決めよう」

「はい。よろしくお願いします!」

(お仕事だもんね。朝昼晩と鉢の様子を見なくっちゃ……! よし、頑張ろう!)

 仕事として請け負ったのなら、報酬を貰う以上責任が発生する。これからは気を引き締めてマイグレックヒェンを管理しなければならないのだ。
 私はグッと拳を握って気合を入れる。

「……くっ。…………アン、そんなに気負わなくて大丈夫だ。今まで通り育ててくれて構わない」

 私の気合が顔に出ていたのだろう、ジルさんが堪らないといった感じで笑みを溢した。

「……っ! 笑うなんてヒドイです! 私は仕事を頑張ろうと思って……!」

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