緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
 ついついプレッツヒェンを堪能していると、結構な時間となっていた。
 急遽プレッツヒェンを作ることにしたので、開店時間が押し迫っていたのだ。

(もうこんな時間! 美味しくてつい夢中になっちゃった……!)

 慌ててお店に戻り、ギリギリ開店に間に合ったと同時に、見知った人が来店する。

「アンちゃんおはよう! 今日も可愛いね!」

「……いらっしゃいませ。今日はお仕事お休みなのですか?」

 意外なことに、朝一番お店にやって来たのはヴェルナーさんだった。
 いつも通りにこにこと笑顔を浮かべているけれど、何となく疲れて見えるのは……気のせいだろうか。

「そうなんだよ。今日は久しぶりの非番なんだ」

(なるほど。久しぶりのお休みだから朝早くデートなんだ。なかなかのラブラブっぷりだなぁ)

「今騎士団の方は忙しいのですか? お疲れのように見えますけど……」

「え……そう見えちゃう? 目聡いなぁ。アンちゃんにはいつも格好良い姿を見せたかったのに」

「ええ……。今からデートに行く人がそんな事を言っちゃ駄目ですよ」

「デート? 誰が?」

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