緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
「え? 今から花束を持ってデートに行かれるんじゃ……?」

「違う違う! 今日は妹の誕生日なんだ! だからお祝いに花束を贈ろうと思ってたんだけど……。もしかして今までもそう思ってた?」

「あ……はい。ずっと彼女さんへの贈り物かと……」

「うわ〜〜! そっか……! 普通はそう思うのか……。俺、姉弟が多くてさ。姉ちゃん達の誕生日祝いに花束をお願いしていたんだよ」

「えっ……! そうだったんですか……? だからいつも雰囲気が違う花束を……?」

「そうなんだ。うちって姉弟でもそれぞれタイプが違うんだよね」

 私はヴェルナーさんから聞いた事実に衝撃を受ける。

(まさかずっと勘違いしていたなんて……!)

 複数の彼女がいると思っていたヴェルナーさんは、実は姉弟思いの優しい人だった。
 私は勝手な思い込みで彼を不誠実な人だと思っていた自分を、すごく情けなくて恥ずかしく思う。

「す、すみません……! 本当にすみません……! 私、勝手に勘違いしていました! ヴェルナーさん格好良いから、彼女さんもたくさんいるのかなって……!」

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