緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
 普通、貴族が欲しい物を買う時は屋敷に商人を呼ぶか、使用人を使いを出す。だからフィーネちゃんが天使のように可愛くても、裕福なご家庭のお嬢さんぐらいにしか思っていなかったのだ。

「いやですわ! 今まで通りに呼んでくださいまし! わたくしはアンさんと仲良しになりたいのですわ! 身分など気になさらないで!」

 目をウルウルさせるフィーネちゃんの頼みを私が断れるはずもなく。……っていうか、何気に私の周りの貴族率が高くなってきたような……。

「フィーネちゃんがそう言ってくれるなら喜んで! 私もフィーネちゃんと仲良くなりたいな!」

 私がそう言うと、フィーネちゃんは曇らせていた表情をぱあっと明るく変化させる。コロコロ変わる表情がとても可愛くて、ジルさんとは違う花の幻影が舞っている気がする。

(お貴族様って皆んな顔が良いよね……! 遺伝か?! 遺伝なのか?!)

「う、嬉しいです! あ、あの、わたくし、実はアンさんにお願いがあって……」

 フィーネちゃんが頬を染めてもじもじとしている。上目遣いで私を見る姿があまりにも可愛くて、どんなお願いでも聞いてしまいそうになる。

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