緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
(よく見ればヴェルナーさんと似ているかも。ヴェルナーさんはお父さん似なのかな?)

 お母さんのお顔も拝見してみたいけど、どうやらこの場にはいらっしゃらないようだった。

「アンさんはこちらにお座り下さい!」

 フィーネちゃんに声を掛けられ席に向かうと、給仕の人が椅子を引いてくれた。
 椅子に座ると目の前に豪華な花瓶に生けられた花があり、思わず「あっ!」と声が出た。

「はは、アンネリーエさんにいただいた花を早速飾らせていただきました。流石王女殿下やローエンシュタイン侯爵がお気に召されている生花ですね。話には聞いていましたが、こんなに色が鮮やかな花は初めて見ましたよ」

「あ、有難うございます……っ! お気に召していただけて嬉しいです!」

 ディーステル伯爵邸に呼ばれた時、私はお店の花を手土産に持って行ったのだ。臨時休業にしたのでお花が余ったら勿体ないし、という貧乏性から出た行為だったけれど、喜んで貰えたのなら生産者としてとても嬉しい。
 更に嬉しいのは、フロレンティーナ王女様やヘルムフリートさんが私の花を絶賛してくれていると教えて貰えたことだ。

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