緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
 ディーステル伯爵と話している間に、次々と料理が運ばれてきた。
 どれもこれも見たことがない料理ばかりで、盛り付けからして洗練されている。これは絶対美味しいに違いない、と一目でわかった。

「さあ、冷めない内にどうぞお召し上がり下さい」

 目の前に置かれた料理に釘付けになりながらも、たくさん並べられたナイフやフォークに、どう使えば良いのか全くわからず戸惑ってしまう。

「アンさん、カトラリーは外側から使うのですわ」

 私が困っていることに気付いてくれたフィーネちゃんが、小声でカトラリーの使い方を教えてくれた。

(こんなに小さくて可愛いのに気遣いができるなんて……! フィーネちゃん有難う!!)

 私はフィーネちゃんは本当に良い子だな、と感心しながら心の中で感謝する。

 出された料理をよく味わいながら、家で同じ味を再現できないかな……と私が考えていると、ディーステル伯爵が本題を切り出してきた。

「お忙しい中、アンネリーエさんをお呼びしたのはお願いしたいことが有るからなのです」

「っ!? は、はいっ、どのようなご用件でしょうか……?」

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