緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
 そんな雑談を交えながら、婚約式の花について伯爵と色々話し合う。

「……というわけで、如何でしょう? この話を受けて貰えませんか?」

 伯爵様の言葉に、そんな大役が務まるのかどうか一瞬悩んだけれど、王女殿下とヘルムフリートさんの輝かしい門出を私の花が彩ることが出来るなら、それはとても光栄なことだと思う。

「──はい、わかりました! そのお話、喜んでお受け致します!」
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