緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
 扉を開けて慌てて入ってきたのはヴェルナーさんで、仕事を終えて帰宅したばかりのようだった。

「あ、ヴェルナーさんお邪魔しています。お仕事お疲れ様でした」

「……っ?!」

 ヴェルナーさんは声を掛けた私を目にとめると、驚いた表情を浮かべたまま固まってしまった。

「あ、あれ……?」

 いつもと違う私に驚いたらしいヴェルナーさんの顔が、段々赤くなっていく。

「ヴェルナー、落ち着け。お客様の前だぞ」

「うふふっ! ほら、言った通りでしょう?」

「本当ね! ドレス姿のアンさんに見惚れてるわ!」

「まあ! 予想通りね!」

「あらあら、真っ赤になっちゃって〜〜。初心ね〜〜!」

 伯爵様やお姉様方からからかわれたヴェルナーさんがはっと我に返る。

「う、うるさい! こんなに綺麗なアンちゃんに見惚れないわけ無いだろっ!」

「き、綺麗……っ?!」

 予想外のストレートなヴェルナーさんの物言いに、私まで顔が赤くなってしまう。

「……うん、とっても綺麗だよ」

「ふぇっ?!」

 眩しいものを見るかのように、目を細めてそう言うヴェルナーさんに、私の顔が更に真っ赤になってしまう。
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