緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
 しかも変な声も出てしまってめちゃくちゃ恥ずかしい。

 っていうか、こういう場合、普通だったら違う言葉で誤魔化すとかしそうなものなのに、ヴェルナーさんは全然平気そうだ。
 もしかして普段からお姉様方に鍛えられているのかもしれない。

「……あ、有難うございます……っ」

 取り敢えず褒めて貰ったお礼をヴェルナーさんに伝えたけれど、私とヴェルナーさんを見るご家族の視線がとても生温い……ような気がする。

「アンさん、もしお時間がありましたらテラスでお茶をしませんか?」

 私の居た堪れない気持ちを察したのか、フィーネちゃんが提案してくれる。

(もうフィーネちゃんってばなんて良い子なの……っ!!)

 私はフィーネちゃんのために、プレッツヒェンを多めに用意しようと心に決めた。

「そうね! そこでデザートを頂きましょう!」

「そうしましょう、そうしましょう!」

 雰囲気を切り替えるかのように、お姉様方もフィーネちゃんの提案に乗ってくれた。

「あ、俺も……」

「あら、ヴェルナーは駄目よ!」

「帰ってきたばかりでしょ! 早く着替えていらっしゃい!」

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