緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
「あ、婚約式は大丈夫そうなんですけど、婚儀の方が心配なんですよね。もっと花が必要になりそうなんですけど、植える場所が無くて……」

 無理やり話題を変えるつもりで言っただけだったのに、ジルさんから返ってきたのは意外な返事で。

「ならば、俺の屋敷の温室を使えば良い。アンの温室のような術式はないが、ヘルムフリートに頼めば大丈夫だろう」

 ジルさんのおかげで色んな心配事が一気に無くなってしまった。

 ……頼もし過ぎるんですけど!
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