緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長

 フィーネちゃんは私のプレッツヒェンをかなりお気に召してくれているようだ。こんなに喜んで貰えるなら、朝早く起きて作った甲斐があるというものだ。

「これはテューミアーンが入っているんだけど、フィーネちゃんは初めてじゃないかな?」

「まあ! テューミアーン入りですの?! これは絶対いただきますわ! 他には何が入っているんですの?」

「後は……ディールとマヨーラム、フェンケルかな。ローゼマリンもあるよ。」

 定番のプレーンの他に、今回は少しスパイシーなプレッツヒェンを作ってみた。きっと花束みたいにお姉様方の味の好みもバラバラだろうと考えたのだ。

「まあ! 甘さ控えめで香ばしいわね! すごくお茶に合うわ!」

「あらあら、これはフェンケルが入っているのかしら? エスニックな香りね! 美味しいじゃない!」

「この存在を隠していたヴェルナーの罪は重いわね」

「美味しい〜〜! 独り占めしたくなる気持ちはわかるけどね〜〜!」

「アンさん! テューミアーン入りもすごく美味しいですわ! テューミアーンのスッキリとした風味がたまりませんわ!」

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