緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
「すまない……その、君に言われた通り世話をしていたのだが……何故か段々花に元気がなくなってきたんだ」

 私は申し訳なくするジルさんから鉢を受け取ると、アルペンファイルヒェンの様子を見る。

(おかしいなぁ。アルペンファイルヒェンは一週間やそこらでしおれる花じゃないんだけど……)

「鉢はどんなところに置いていましたか?」

「……ああ、日当たりが良い場所と聞いていたので、窓際に置いていた」

「部屋の温度はどれぐらいですか?」

「20度ぐらいだな」

「なるほど。もしかすると水切れを起こしたのかもしれませんね。しばらくお預かりしてもよろしいですか?」

「……む。良いのか?」

「大丈夫ですよ。そんなに手間ではありませんから」

 アルペンファイルヒェンが好む温度は15度から20度の間だ。
 もしかすると部屋の温度がギリギリ20度のところに、暖房の魔道具が近くにあってかなり温かいのかもしれない。

「今から復活させる作業をしますけど数時間はかかるので、明日もう一度起こしいただいてもいいですか?」

「すまない。助かる。明日は花束を買いに来る予定だから、その時一緒に持って帰ろう」

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