緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
 ジルさんはとても褒め上手だ。こうして褒められるともっと頑張ろう、という気になってくるから、きっと私はチョロいんだろうな、と思う。

「じゃあ、今から作りますから少々お待ちくださいね」

「よろしく頼む」

 今回の花束はお客さんに甘い甘いと言われているように、ピンクと白を基調に仕上げようと考えている。

 ピンクの大きめのローゼをメインに、濃いピンクのフィングストローゼをアクセントにして、薄いピンク色のレースラインや淡いパステルカラーのヴィッケ、グリーンのブプレリウムと白い小花が可愛いアドーニスレースヒェンをバランス良く組み上げていく。
 完成した花束はやっぱり甘々になったけれど、後悔はしない。

 私が花束を作っている間、ジルさんは飾っていたマイグレックヒェンをずっと眺めていた。そんな様子に、余程気に入ったのだろうな、と思う。

(マイグレックヒェンに毒がなければなぁ。花束にしたらすっごく可愛いのに)

 私はマイグレックヒェンを使った花束を想像する。
 パステルカラーでまとめた花束は可憐だし、マイグレックヒェンを葉ごと束ねても清楚でとっても可愛いと思う。

< 52 / 238 >

この作品をシェア

pagetop