緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
 見ての通り、ヘルムフリートとフロレンティーナは恋人同士で、ジギスヴァルトはこの二人と幼馴染だった。
 昔からこの二人はラブラブで、そんな二人を冷めた目で見るというのが定番の光景となっている。

 しかし周りの人間はジギスヴァルトとフロレンティーナが恋仲なのではないかと勘違いしているので、正直迷惑ではあるものの、ジギスヴァルトもその方が虫除けになると思い、噂を放置しているのでお互い様な関係ではある。

「それに文献を調べていたら、君の病気に効くかもしれない植物を見付けてね。その植物の球根を買い占めたんだ。土魔法の使い手に栽培を頼んでいるから、すぐ芽がつくと思うよ」

「さすがヘルムフリートだわ! 大好きよ!」

 再び二人がイチャイチャしだしたので、ジギスヴァルトは二人を放置して騎士団の詰所へ戻ることにする。

 大理石の廊下を歩きながら、ジギスヴァルトはふとアンのことを思い出す。
 イチャイチャする幼馴染の二人に当てられたのかもしれない。しかしジギスヴァルトはいつも笑顔で元気なアンの顔を思い出すと、心が温かくなるのを感じていた。

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