緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
「あれ? 団長お疲れさまです。随分ご機嫌が良さそうですが、なにか良い事でもありましたか?」
アンのことを考えながら歩いていたからだろう、無表情のジギスヴァルトしか知らない団員が驚いた顔で声を掛けてきた。
「……いや、何でも無い。そう言えばお前には店を紹介して貰ったな。礼を言う」
「あ、いえ! お役に立てたのなら良かったです! とは言っても、僕もヴェルナー班長から聞いた情報なんですけど」
「……ヴェルナーか」
騎士団は団長の下に副団長が、更にその下に十二人の班長がいて、それぞれが団員達を取りまとめている。
ヴェルナーは数多い団員の中から班長に選ばれるほどなので、当然ジギスヴァルトはその存在を知っている──そして彼がアンの店の常連だということも。
ヴェルナーとアンが親しくしているところを想像したジギスヴァルトの胸に、言い知れぬ不快感が込み上がってくる。
それは相手がヴェルナーだけでなく、見知らぬ男でも同じ事だった。
(こんなにイライラするとは……どうかしているな……)
アンのことを考えながら歩いていたからだろう、無表情のジギスヴァルトしか知らない団員が驚いた顔で声を掛けてきた。
「……いや、何でも無い。そう言えばお前には店を紹介して貰ったな。礼を言う」
「あ、いえ! お役に立てたのなら良かったです! とは言っても、僕もヴェルナー班長から聞いた情報なんですけど」
「……ヴェルナーか」
騎士団は団長の下に副団長が、更にその下に十二人の班長がいて、それぞれが団員達を取りまとめている。
ヴェルナーは数多い団員の中から班長に選ばれるほどなので、当然ジギスヴァルトはその存在を知っている──そして彼がアンの店の常連だということも。
ヴェルナーとアンが親しくしているところを想像したジギスヴァルトの胸に、言い知れぬ不快感が込み上がってくる。
それは相手がヴェルナーだけでなく、見知らぬ男でも同じ事だった。
(こんなにイライラするとは……どうかしているな……)