緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
「え? え??」

 何のことかわからない私に、ヘルムフリートさんが「取り敢えずこっちに来てくれる?」と、私の手を取って温室へと急ぐ。

 私が連れて行かれたのは鉢物が置いてある区画で、そこにはジルさんがいた。
 ジルさんはこちらに顔を向けると、私達を見て顔をしかめる。

(あれ? 何かジルさん怒ってる……?)

 ジルさんが立っていた場所は、マイグレックヒェンの鉢の前だった。

「アンさん、この花ってマイグレックヒェンだよね?」

「あ、はい、そうですけど」

「どうして蕾の色が違うの? この花は本来紫色だったはずだよね?」

「えっと、私もそう思っていたんですけど、何故か白い花が咲いてしまって……」

「え、白……?!」

 ヘルムフリートさんがものすごく驚いている。っていうか、ヘルムフリートさんもマイグレックヒェンを知っていたことに私も驚いた。

(北の方の花だし、この国では知っている人は少ないのに)

「アンさんお願いがあるんだ!! この花を僕に譲ってくれないかな?! 言い値を払うよ!!」

「えっ!? 言い値って……! あ、でも、この花には毒がありますよ?!」

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