人肉病
自衛隊員たちが死体を運び出していると説明すると「感染者も死んでるのか?」と、自分も窓の外を確認しはじめた。
「人を襲ってるんだから、殺される前に殺そうとする人がいてもおかしくないよ」
感染者たちがウイルスのせいで死んでしまったとは思えない。
殺されたのだろうけれど、それはすべて正当防衛になるだろう。
「そうだよな」
圭太は深い溜息と共に言葉を吐き出す。
「悪い。ちょっと、トイレ」
やはり気分が優れないのか、圭太は1人で教室を出ていってしまった。
もしかして感染している私と一緒にいたくないんだろうかと、予感がよぎる。
誰だって、自分を食べるかもしれない人間と一緒になんていたくないはずだ。
それなのに圭太はずっと私と一緒に行動してくれている。
その優しさに答えたいという気持ちと、抗うことが難しくなってきている空腹感の間に私はいる。
純一が握手してきた右手はまだギュッと握られたままで、私はその拳をそっと開いて確認した。
あの瞬間、純一が私に手渡してくれた肉片がそこにはあった。
手を開いた瞬間からいい香りがフワリと香る。
お腹がグーッと派手に音を立てて、咄嗟に左手で胃の当たりを押さえつけた。
ダメだ。
「人を襲ってるんだから、殺される前に殺そうとする人がいてもおかしくないよ」
感染者たちがウイルスのせいで死んでしまったとは思えない。
殺されたのだろうけれど、それはすべて正当防衛になるだろう。
「そうだよな」
圭太は深い溜息と共に言葉を吐き出す。
「悪い。ちょっと、トイレ」
やはり気分が優れないのか、圭太は1人で教室を出ていってしまった。
もしかして感染している私と一緒にいたくないんだろうかと、予感がよぎる。
誰だって、自分を食べるかもしれない人間と一緒になんていたくないはずだ。
それなのに圭太はずっと私と一緒に行動してくれている。
その優しさに答えたいという気持ちと、抗うことが難しくなってきている空腹感の間に私はいる。
純一が握手してきた右手はまだギュッと握られたままで、私はその拳をそっと開いて確認した。
あの瞬間、純一が私に手渡してくれた肉片がそこにはあった。
手を開いた瞬間からいい香りがフワリと香る。
お腹がグーッと派手に音を立てて、咄嗟に左手で胃の当たりを押さえつけた。
ダメだ。