人肉病
意識を失っているだけのようで、胸元が上下しているのが見えた。


「カッターナイフを持ってた非感染者だよ」


麻子は男子生徒を見下ろして説明した。
そしてその喉が上下にゴクリと動く。


「私も我慢してた。先生と一緒に水だけ飲んで……。でも、もう……」


麻子が震えながら男子生徒の横に膝をつく。
男子生徒が苦しげにうめき声を上げて寝返りを打った。
もう少しで目を覚ましそうだ。
麻子がこちらへ視線を向けて、大粒の涙を頬に流す。


「私はダメ。もう、我慢できない!」


次の瞬間。
男子生徒が目を開くのと麻子がその首に噛み付くのは同時だった。
男子生徒の絶叫が保険室内に響き渡る。
麻子は男子生徒の首の肉を引きちぎり、恍惚とした表情で咀嚼するとゴクンッと喉を鳴らして飲み込んだ。


「くそっくそっ! 化け物め!」


男子生徒が闇雲に麻子を殴りつける。
麻子はひるむことなく再び噛み付く。

男子生徒は絶叫しながら麻子の頬を殴りつけた。
ゴキッと嫌な音がして、麻子の顔面が歪む。
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