人肉病
頬骨が折れたことにも気がついていないのか、麻子は今度は男子生徒の足に噛み付いた。
アキレス腱を引きちぎり、咀嚼して食べる。


「助けて、助けてくれ!」


歩けなくなった男子生徒が助けを求めてこちらへ視線を向ける。
でも……。
オイシソウ。

ゴクリと唾を飲み込んで私は男子生徒に背を向けた。
麻子の空腹感は自分が一番よく理解している。
それに、これ以上見ていると私も耐えられそうになかった。

保健室を出てドアを後手に閉めると、私は圭太の手を握りしめて「行こう」と、その場から逃げ出したのだった。
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