人肉病
☆☆☆

久しぶりに父親の声を聞いた私は安心し、急速な眠気に襲われてしまった。
圭太とふたりで寝室のベッドを拝借して深い眠りにつく。
夢の中でこの街が出てきたけれど、みんないつもの日常を過ごしていた。

朝、犬の散歩をする人。
通勤、通学で忙しく歩く人。
その中に私と圭太の姿もあった。
ふたりで肩を並べて学校へ向かう。

途中からなぜか父親と母親も一緒になって、学校へ向かう。
少し変な構図だったけれど、夢の中だからなんでもいい。
とにかく平和で幸せな日常がそこにあった。
だから、外から聞こえてくる悲鳴で目を覚ました時、私は一気に現実へ引き戻されてしまったんだ。


「今の声は?」


先に起きていた圭太に聞く。
圭太はカーテンを開けて外の様子を確認していた。


「人が襲われてる」

「まだ、感染してない人がいたんだね」


それとも、非感染者が感染者を殺しているんだろうか。
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