人肉病
「それもある。それに圭太は感染していないから、迷惑かけちゃうし」


感染者と非感染者。
どうしたって一緒に行動するには限界があるはずだ。


「そっか。だけど圭太は君から逃げなかった。食べられるかもしれないのに」

「それは、圭太が優しいから」


呟くように答えてうつむく。
正直、どうして圭太がここまで自分のことを思ってくれているのかわからない。
感染したとわかったときに突き放すことだってできたのに。


「自殺するとその優しさを無駄にすることになると思うけど?」


直が鋭い視線を向けてくる。
圭太の気持ちから逃げるなと言われている気分で、たじろいだ。


「それはそれとして、ちょっと気になることがある」


途端に声を落とす直に私は瞬きをした。


「気になること?」

「そう。圭太のことで」

「え?」


圭太のなにが気になるというんだろう?
ますますわからなくって首をかしげた。
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