S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
(沙月さんと並ぶと本当に絵になる!)

 彼の沙月を見つめる眼差しも甘く、ふたりは恋人同士なのだろうと想像できた。

「こちらは和葉さん。お気に入りのお店のお嬢さんなの」

 沙月が彼に和葉を紹介する。和葉は会釈をして答える。

「望月と申します。沙月さんには、いつもご贔屓にしていただいております」

「そうなんですね。櫻井(さくらい)絢斗(あやと)と申します」

 彼が言うと、沙月は少し照れた様子で声をひそめる。

「その……私の恋人です。今度はデートでお店に行ってもいいかしら?」
「はい、ぜひ!」

(やっぱりそうなんだ。あれ、でもそうすると柾樹さんとのお見合いのときは……)

 疑問が顔に出てしまったのだろう。和葉の表情を見た沙月が小さく肩をすくめる。

「ここだけの話にしてね。例のお見合いは破談になったの。実は……」

 沙月は真相を打ち明けてくれた。
 話によると、沙月はずっと絢斗のことが好きで、あのお見合いは本意ではなかったらしい。けれど、久野家がお世話になっている恩人からのすすめだったので断りきれなかったそうだ。

「うちも医療業界に身を置いているから。円城寺家をむげにするわけにはいかなくて……。あのまま縁談が進んでいたら、彼のことは諦めなきゃと思っていたの」

 では、柾樹の冷たい態度は結果的に沙月のためになったということだろうか?

 沙月はふふっとほほ笑んで続ける。
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